パーマ

パーマは何故かかるの?原理とパーマ液の成分&種類を美容師が詳しく解説!

こんにちは、ケイスケです!

今回は、パーマのかかる原理についてとパーマ液の成分と種類と特徴を詳しく解説します。

髪に癖をつけるにはどうしているのか?そもそもパーマとは何?といった質問をよく聞きます。

 

カールやウェーブをつけて華やかにしたい!巻く時間を短縮させたい!乾かしただけでスタイルになるようにしたい!などなど多数の声をもらいますが、

 

そもそもパーマってどうやってかけてるの?ってところを今日は深掘りしていきます。

 

パーマがかかる原理

そもそも、どうして真っ直ぐな髪の毛にカールやウェーブが付くのか!

髪の毛には、髪を形づくるケラチンタンパクというのが存在し、アミノ酸がつながったポリペプチドから髪の毛はできています。

このポリペプチド同士をつなげている4種類の結合についてまず解説していきます。

4種類の結合

水素結合

髪を濡らすこと結合がきれ、乾くときに再度結合する特徴があります。

濡らすと髪が柔らかくになります。 

例 ブロー 寝癖

 

塩(イオン)結合

髪の毛は弱酸性で出来ています。 phが変化することによって塩(イオン)結合が切れて髪の毛にダメージを与えます。

髪の毛の健康なphとして、ph4.5~ph5.5 が安定し理想だと言われます。 

例 パーマ ヘアカラー 弱酸性シャンプー

 

シスチン(S-S)結合

パーマはこのシスチン結合を利用しカールやウェーブを作っています。1剤(還元剤)で結合が切断し、2剤(酸化剤)で再度結合させています。

1剤における結合を切断する際に、髪は柔らかく(軟化)をし、特有の臭気を感じます。 

例 パーマ

 

ペプチド結合

髪の毛の根本的な部位で、この結合が切れると髪の毛は切れてしまいます。

枝毛はこの結合が切れたことにより発生すると言われています。 

例 枝毛 ハイダメージ

この4つの結合と切断の強弱をまとめた図。↓

この4つの結合のうちの3つがパーマに関係してきます。

ポイント

水素結合 イオン結合 シスチン結合

この3つの結合を切断し再結合することによってパーマがかかります!

毛髪の再結合についてわかりやすくした図 ↓

ヴァージン毛に対して、薬液を塗布し、各結合を切断し、そこから再結合する2剤の薬剤を塗布し形付けた状態で切断した部位を再結合するというのがパーマがかかる原理です!

 

※ 水素結合とイオン結合については、乾かすと自然に再結合します。

 

※ 薬剤で再結合するのはシスチン結合のみです!

 

では、この切断と結合に欠かせない1剤の薬剤について説明をしていきたいとおもいます。

 

パーマの種類

 

パーマには、多種類の方法があります。

水パーマ 

コールドパーマ 髪の毛が濡れた状態になることでカールが生まれるのが特徴 

デジタルパーマ 

ホットパーマ、アイロンパーマ 髪の毛に熱を加え、乾燥した状態のときにカールが強くなる特徴

ストーレートパーマ 

ストレート 薬剤の力だけで髪の毛を軟化させてクセを伸ばすのが特徴。

縮毛矯正 

縮毛 縮毛矯正 薬剤の力で軟化させた髪の毛にヘアアイロンの熱を通し髪の毛のクセを矯正するのが特徴。

パーマの違いとして、熱を加えるか加えないかが大きな特徴の差になると思います。 

 

大まかに説明しましたが、パーマの種類や掛け方は多数ありますが、それは各パーマについて別に書いていこうと思います。

細かい内容についてはコチラから

水パーマとは何? 現役美容師が詳しく解説!

デジタルパーマとは何? 現役美容師が詳しく解説!

縮毛矯正とストレートパーマの違いとは?現役美容師が詳しく解説します!

 

パーマ液の成分と種類

パーマ液は1剤と2剤によって構成されます。

 

1剤は別名、還元剤と言われ、結合(s-s結合)を切断する作用がある薬剤になります。

2剤は別名、酸化剤と言われ、1剤で切断した結合を再結合する役割があります。

 

簡単にですが、図にしてみました。 ↓

1剤は、還元剤とアルカリ剤が主成分として配合されている薬剤です。

還元剤

チオグリコール酸塩類(チオ系)、亜硫酸ナトリウム(化粧品)、システイン又はその塩類、システアミン(化粧品)

この還元剤と言われている成分がパーマにおける髪の毛の結合を切断する役割です。

アルカリ剤

アンモニア水、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、モノエタノールアミン、炭酸水素アンモニウム、アルギニン

その還元剤の効果を促進させるために用いられるのが、アルカリ剤と言われます。

2剤は、酸化剤を主成分として配合されている薬剤になります。

酸化剤

過酸化水素水、臭素酸ナトリウム(ブロム酸ナトリウム)

以上が還元剤の主成分になります。

1剤(還元剤)の種類と特徴について

1剤には、大きく2種類に分けられます。

 

パーマ剤 と カーリング料 です。

 

パーマ剤

チオグリコール酸塩類、システイン又はその塩類

チオグリコール酸を有効成分としたもので、コールド式(室温施術)、加温式(60℃以下での施術)、アイロンを使用できるかどうかで薬剤が変わる特徴があります。

医薬部外品の分類される。

カーリング料

亜硫酸ナトリウム、システアミン など

亜硫酸塩を有効成分としたカーリング料。パーマ剤と同様に還元の化学作用があり、安全性が高い。

化粧品に分類される特徴があります。

この2種類の大きな違いとしては、医薬部外品化粧品の違いがあります。

ポイント

ちなみに、パーマとカラーは同日に施術を行ってはいけないと薬事法で決まっているのですが、カーリング料が使われるようになってから、化粧品としての分類になるため同時に施術できるようになりました。

※ただこの場合はグレーゾーンの世界です。あまりオススメはしません。

各還元剤の構造について

チオグリコール酸塩類、システイン又はその塩類、システアミンの構造

分子内に -SH基 を持っており、還元する作用がある。

亜硫酸ナトリウムの構造

-SH基を持たず、亜硫酸ナトリウムが直接還元作用し、-Sとイオン結合でブンデ塩を作成し、シスチン結合を切断する。

施術中の臭いが少なく、残臭も少ない。 仕上がりは、システイン系よりも柔らかくカールがかかる特徴がある。

薬剤によってパーマのかかりに違いが生じるのは、薬剤の効果や働きが髪の結合部分によって違うことで変わってくるということがわかります。

アルカリ剤の種類と特徴について

アルカリ剤の役割として、

pHを高め、毛髪を軟化、膨潤させて、パーマ剤の浸透をよくして還元反応を促進 

といったような働きをします。

種類と特徴

アンモニア 

揮発性のため刺激臭はあるが毛髪へ残留が少ない。反応は早いが、オーバータイムしにくい。手に対する刺激がある。

モノエタノールアミン 

不揮発性のためニオイは少ないが、毛髪への残留が多い。反応は遅いが、オーバータイムしやすい。手に対する刺激がある。

炭酸水素アンモニウム 

弱アルカリ性のアルカリ剤。施術時間の経過とともに、炭酸とアンモニアに分解され、アルカリ性になるため反応が強くなる。

アルギニン 

塩基性アミノ酸のひとつで、毛髪との親和性が高い。アルカリ剤の作用としては弱く、反応は穏やかである。

各アルカリ剤によって、パーマ剤の作用が変わってくるのも特徴の一つです。

 

なので、薬剤を選定する時に、髪質やスタイルにあった薬剤を選ぶ基準となります。

 

 

2剤(酸化剤)の種類と特徴について

過酸化水素の特徴

酸化作用が、強く作用するので、2剤処理の時間短縮が可能。 

配合量は2.5%以下

ヘアカラーと酸化重合させることができ、カラーの褪色が少ない。また反応後に水しか残らないため、しなやかでやわらかいカールが得られる。

 

 

臭素酸ナトリウム NaBrO3 の特徴

作用が穏やかなため、長く放置時間を要する。

配合量は3.5%以上

塩析効果のため、リッジの効いたハリのあるカール感が得られる。

 

注意ポイント

2剤を加温すると、急激な酸化反応によりダメージの原因になる!

2剤でも、パーマ剤や髪質にダメージに大きく関わってくるので選定する際は気をつけるポイントになります!

パーマをかけるときの注意

髪の毛の状態や髪質によっては、かかりやすい人、かかりにくい人がいます。

 

ダメージ毛の方は、パーマがかかりにくい特徴があったり、薬液を頭皮に直接触れてしまうこともあるので、肌がかぶれたり具合が悪くなる方もいます。そして、ダメージで髪の毛が切れてしまうことも…

 

ある例ですが、実際にこのような現場に遭遇したことがあります。

 

実際に、カラーやパーマを繰り返し行った経歴のあるお客様にホットパーマを施術したスタッフがいました。

スタッフはダメージもあり、これ以上髪の毛に負担を与えると髪がチリチリになってしまいます!

と、お伝えしましたが、どうしてもかけて欲しいという要望でパーマをかけました。

1剤をつけて、軟化させてから、毛先の方はもうチリチリになってしまって、薬を流し熱を加える時にはもうチリチリのボロボロになってしまいどうしようもない状態になってしまい、お客様も絶句の表情でした。

これでは、お互いに良いことはありません。

きちんとカウンセリングをし、施術できる状態かを見極めて掛けないとほんとに悲しい結果になってしまいます。

 

一番、怖いのは、髪の毛の切れてしまうことです。 切れてしまったら取り返しがつかないので、パーマをかけるときには、お客様側も施術するスタイリストも以下の事をご確認ください。

 

お客様側

薬剤でかぶれたり具合が悪くなったりしたことがあるか。

ブリーチの経歴があるか。

縮毛矯正やストレートをしたことがあるか。

パーマをかけたが、かかりが弱かったか。

など、事前に報告してください。

 

スタイリスト側

薬剤でかぶれたり具合が悪くなったりしたことがあるか。

ブリーチの経歴があるか。

パーマをかけたが、かかりが弱かったか。

前にかけたパーマが、コールドパーマかホットパーマか。

縮毛矯正やストレートをしたことがあるか。

など、事前に確認してください。

 

 

注目

確認が取れない場合は、事前に髪の毛の負担(ダメージ)がかかること、パーマの仕上がりには個人差があることをしっかり伝えて承諾を得た上で施術することをオススメします! 

 

 

まとめ

今回は、パーマのかかる原理と成分や種類について解説していきました!

いかがでしたでしょうか?

最後に、今日のおさらいとしてまとめて見ていきたいと思います!

パーマのまとめ

・パーマのかかる原理

 髪の毛には4つの結合からなる。

 髪の毛の結合を薬剤で切断し、再結合することによってカールがかかる。

 パーマ液が反応するのは、シスチンS-S結合だけ。

 薬剤の種類によってかかり方が変化する。

・還元剤(1剤)の特徴

髪の毛のシスチン(S-S)結合を切断する還元剤である。

還元剤には、還元剤とアルカリ剤が主成分である。

還元作用が強ければ、強くカールがかかりダメージも大きい。

・酸化剤(2剤)の特徴

髪の毛のシスチン(S-S)結合を再結合するのが酸化剤

薬剤によって、カールのかかり方や、酸化する時間に変動がある。

・注意

パーマ剤でかぶれたり、具合が悪くなったりしたことがあるか。

パーマの履歴の確認。

ブリーチをしているか。

パーマにおける髪の毛の負担がかかることの説明。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

カラーについて書いた記事もあるのでご覧ください。 ↓

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